2月の中学受験が終わると、進学塾としてはその合格実績をアピールする。
会社であれば四半期ごとに決算を発表するが、
進学塾は年に一回、その合格実績が評価の対象となる。
すでにサピックスに通っている子の親はもちろんだが、
これからどこの塾に通わせようか考えている親に向けて、
この合格実績は強烈なアピールポイントとなる。
サピックス全体の合格実績は他に譲るとして、ここでは長男が通う●●校の合格実績を分析する。
2023年度実績
まずは昨年度の合格実績はこちら。
169名いて、この合格実績を出されると、
「ほとんど有名中学に合格してるじゃん!!」と見えるのだが、
もちろん一人の子どもが複数受験しているため、この数字は述べ人数となる。
だから、どれくらいの位置にいるとどこの学校に合格できるかってのは
もうちょっと細かく見ていく必要がある。
男子に焦点をあててみると、
昨年度は169名在籍していたので、その約半数である85名を男子とする。
2月1日にしか受験できない学校、すなわち併願できない有名中学校を抽出すると以下になる。
開成:8名
麻布:6名
駒場東邦:3名
慶応普通部:8名
武蔵:0名
【合計】25名
25/85、すなわち上位約30%が有名中学に合格している。
では、2024年度はどうか。
2024年度実績
2024年度の合格実績はこちら。
まず目が行くのが、在籍者数が169名から112名に減ったことだ。
何かのYoutubeで見たのだが、早稲アカが生徒数を伸ばしているとあった。
長男が通う●●校もその流れを受けているのだろうか。
長男からは「友達の・・君が辞めていった」というのはちょいちょい聞く。
では、その子は中学受験をあきらめたのかというと、別の塾で続けているそう。
各塾ではその教育スタイルが異なるため、その子にあった塾ってのがある。
サピはどちらかというと放任な感じであり、授業内容は成績上位者を対象するから、
偏差値が50以下の子どもにとって、サピを続けるのは結構きついと思う。
これに対して早稲アカは生徒一人ひとりに手厚いサポートがあり、
体育会系的なのりで、「みんなで受験を戦おう」という雰囲気があるそう。
では、今年度の実績をまた分析してみると、
開成:3名
麻布:5名
駒場東邦:8名
慶応普通部:9名
武蔵:1名
【合計】26名
112の約半数、60名を男子とすると、
26/60となって、長男の通う●●校では約半数が有名中学に合格している。
そう、昨年度から全体の在籍者数は減ってはいるものの、
有名中学に合格する子の数は25名から26名とあまり変わっていない。
これから推測できることとして、
やはり偏差値50以下の子が他の塾に流れて行ったと言えそうだ。
集団での立ち位置
俺は今までの経験から、何の集団に属するにせよ
中間から上の位置にいないと精神的にきつくなると思っている。
何の分野でも実力がついてきたり、
これから上を目指したいと思ったら上位の集団に所属したくなる。
例えば野球が好きで甲子園出場を目指したいと思ったら、
甲子園常連校に入学すればその可能性は高くなる。
だが、甲子園常連校は全国の猛者たちが集まる所なので、
自分自身が相当の実力者でないと試合どころかベンチにも入れなくなる。
そうなると、好きだった野球が楽しめなくなり、
「野球やめよっかな・・」という感情がふつふつと湧いてくる。
では、甲子園常連校でなくとも
自分が努力してなんとか試合に出られるくらいの野球部だったらどうか。
甲子園出場の可能性は低くなるかもしれないが、
やればできるという自己効力感が高まり、楽しく3年間野球を続けることができる。
もちろん、強豪校でも努力次第で集団の上位者になることは可能だが、
継続力が弱かったり、自己効力感がうまく芽生えなかった場合などは
なかなか中間~上位に食い込めなくなり、次第にやる気が失せてきてしまう。
長男の立ち位置
では、我が長男のサピでの立ち位置はどうか。
そう、集団の中の下位クラス・・・
ここ一年以上、4科目総合の偏差値で50を超えていない。
麻布を狙う以上、最終的に偏差値60には到達したいが、
直近の目標としては偏差値50を超えること。
では、長男はサピでやる気が失せてきたのかというと、
そこまで落ち込んいるわけではない。
というのも、それ以上に悔しい経験をしているからである。
長男はバスケをやっているのだが、
以前所属していたチームで、試合に出してもらえないことがあった。
その当時、コロナに罹ってしばらく練習に参加できない時期があり
練習参加回数が他の子よりも少なかったためか、試合に出してもらえず悔しい思いをした。
俺自身も学生時代に経験あるのだが、
試合に出してもらえない悔しさってのは、試合に出て負ける悔しさより圧倒的に強い。
俺が大学でバスケをやっていた時、
地区予選を勝ち抜いて全国大会出場を決めて、東京の代々木で試合をすることになったので
実家の家族や高校の同級生を呼んで観に来てもらった。
その当時、俺は大学2年生でベンチ入りはしているが、控え選手として地区予選には出ていた。
全国大会でも自分が試合に出られると思っていたが・・・
全国ともなると対戦相手が強く、スタメン選手への依存度が高くなり、
結局、俺は全く試合に出ることはなく敗戦。
負けて悔しいのもあるが、
家族や友達を呼んでおいて試合に出ずに終わる悔しさが圧倒的に強かった。
その後、「必ず全国で俺がでる!!」と決めて一年間みっちり練習を重ねた結果、
翌年もチームは全国大会に出場し、家族と友達の前でプレイすることができた。
スポーツは努力しても、その成果を発揮できないことがある。
ポジション争いがある以上、それは仕方がないことだ。
だが、勉強はどうだろうか。
下位クラスでも上位クラスと同等に試験を受けることができる。
そう、勉強はいつだってスタメンなのだ。
長男は小学4年生時に、自分ではどうにもならない圧倒的に悔しい経験をしている。
その悔しさに比べたらどうだろうか。
成績が上がらないのは、紛れもなく自分の努力不足。何の言い訳もできない。
もうそんなことは長男も分かっている。
試験結果がなかなか良くならないことに対して、落ち込んでいることもあるが、
「あの時の悔しさに比べたら何てことないだろ?」と長男に聞くと、たいてい
「うん、そうだね」と答えてくる。
大丈夫、こいつの目はまだ死んじゃいない。
長男よ、
胸を張って生きろ
己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと
心を燃やせ