【超人松井伝説】第二話

コーヒーブレイク

三発目、「マッキンゼー」

とうとう、最終面接の呪いを克服し、

世界にその名をとどろかせているマッキンゼーに内定した松井さん。

ただ、後で聞いた話だが、

今までのキャリアで一番きつかったのは、

「血尿のアクセンチュア」でも、「恫喝のアビーム」でもなく、

この泣く子も黙るマッキンゼーだったそう。


マッキンゼーもそれはそれは激務だったようで、

誰かの送別会で飲み屋で酒を飲んだ後でも、普通にオフィスに戻ってきて仕事を始めるそう。

みんな、夜中3時くらいまで仕事した後、

翌日も普通に朝9時ころには出社してくるという話。


ほんと、サイヤ人みたいな戦闘種族だな・・・


ある日、またしても仕事で3日間徹夜でずーっと椅子に座って仕事をしていた時のこと。

3日間座りっぱなしだったので、お尻が少々うっ血していたのか、

ちょっと椅子の背もたれに寄り掛かった瞬間、

尻の皮がズリズリズリーっとむけてしまった。


何が起きたのか、一瞬分からなかったそうだが、

尻を触ってみると、血だらけになっている。


普通の人はこの後、すぐにでも病院に行くだろう。

しかし、この超人松井さん、このまま仕事を続行。

空気椅子状態で!!


んなやつおんの!?


※ちなみにこの話は我々仲間内では有名な話で、

他の友人が、日本に来た外国人にこの武勇伝を語ると、

「日本人にはまだまだ勝てる気がしない・・・」と恐れおののくそう。


このマッキンゼーも長く働くと死期を早めるという事で、

2年ほど働いた後、また転職活動をスタート。

四発目、「政策秘書」

松井さんはかねてより政治に興味があり、

維新の党の塾生にもなっていた。

俺はそれほど政治の話について行けるわけじゃないが、

松井さんは初心者でもわかりやすく、面白おかしく政治の話をしてくれる。

この人、政治が相当好きなんだな・・・

この維新の会のつながりで、とある衆議院議員の政策秘書になることが決まり、

2年間働いたマッキンゼーを退職。

マッキンゼーで2年働き、このまま行けばマネージャーになれるという話だったが、

松「昇給よりも命の方が大切ですよ」

という事で、今度は今までと違う新天地でのキャリアをスタートした。


今まで、コンサル系でサイヤ人みたいなやつらと仕事をしていた松井さんにとって、

この政策秘書の仕事は完全にストレスフリーだった。


なんせ、いままで日付が変わるまで働いていたのが、

夕方18時に帰れるというのだから!!

自分の好きな政治の仕事に関われるわけだし、

もういう事ない状態だった。


そして、この仕事を1~2年ほどやった後、

松井さんにとあるオファーが舞い込む。


衆議院議員選挙への出馬要請!!

風が吹くか

松井さんの出身地は兵庫県。

ここのとある選挙区で、維新の党の公認として衆議院議員選挙に出馬することに。

すげぇなぁ、とうとう出馬か・・・

いずれは選挙に出たいと言っていたが、

こうも早く実現するとは思っていなかった。


しかし、選挙活動はどのように進めるのか。

選挙活動するにあたり、お金は非常にかかるものだが、

お金の払い方を間違えると、公職選挙法違反になって一巻の終わりとなる。

そうなると、ボランティアの有志が必要になってくるが・・・

松「大丈夫ですよ。若い学生たちが手伝ってくれています」

どうやら政治に興味のある大学生の知り合いがいるらしく、

その大学生たちがボランティアで手伝ってくれていると。

勢いのある男子大学生三人衆!!

自分も一度兵庫県まで行って、ビラ配り等手伝ったのだが、

この大学生三人衆が非常に有能な学生たちだった。

お金の管理やビラ配りの場所、その他あらゆることをこの三人が取り仕切っている。

こういう人脈も松井さんの魅力なんだろうな。

そして、この三人がよく言っていた言葉「風が吹いてきた」

選挙で自陣が優勢になってくると「風が吹く」という言葉を使うらしい。

活動当初は町に出て手を振っても見向きもされなかったが、

地道に活動を続けると次第に好意的な反応がちらほら現れ始めたと。

そうするとこの三人は

「松井さん、風が吹いてきましたね」

と嬉しそうに話す。

この選挙区では、自民党の「渡海紀三朗」が有力とのことで、

それに対抗すべく、若い松井さんが乗り込んで行った形。

この渡海さん、2007年の福田康夫内閣で文部科学大臣をやっていた。


そして、お父さんは渡海元三郎といって、元国土交通大臣。


そう、地盤ガッチガチのやべぇやつです。

松井さん、こんな人に挑んでいくのか・・・

小選挙区制なので、候補者三人のうち当選は一人のみ。


時は年の瀬が迫った12月。

そしていよいよ、選挙当日。

風よ吹けぇ!!



結果は・・・

およそ38000票差で敗戦・・・

敗戦後の記者会見↓

負けはしたが、大物政治家相手に対して5万票も取れたのは大健闘だろう。


ただし・・・、

出馬することはすなわち、現職を辞めて背水の陣で戦うという事。

そう、この敗戦によって、

松井さんは完全な無職となった。

第三話につづく・・・

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