バスケ部の方針
長男はバスケ部に入った。
4月に入学して5月末まで仮入部期間があり、そのあと正式にバスケ部の一員として活動している。
仮入部期間に他の部活は一切見なかった。バスケ部のみ。
長男から部活の様子を日々聞いているのだが、友達もできて結構楽しくやっている様子。
時折、OBや外部のトレーナーも来たりして、効果的なトレーニングなども教えてもらっているという。
長男から聞く以外に情報を得ることができなかったが、
夏合宿前に保護者会があったのでバスケ部の方針などを聞いてきた。
子どもの育成
一番共感できたのは子どもの育成をメインに考えている事。
他の強豪校は勝つことがメインテーマになるだろうが、芝はそこまで勝利至上主義ではない。
もちろん勝つことを疎かにしているわけではないが、
頑張ってきた上級生を差し置いて、実力のある下級生を優遇するような対応は行わない。
俺は中学高校では野球部、大学ではバスケ部に入っていて、ある程度体育会系で育ってきたので分かるのだが、
俺の経験上、実力のあるやつは大体イキってくる。
実力のある後輩は、実力のない先輩に対してなめ腐った態度をとってくる。
そうなると、あっという間にチームの雰囲気は崩れてしまう。
そういうことを芝の先生は知っているのか、基本的に中学生のチーム編成は上級生が中心だ。
「実力ある子にとっては多少不満があるかもしれませんが、中一の前半は公式戦に出られないと思っていてください」
うむ、まったく問題ない
小学生のうちは先輩後輩の上下関係は無いに等しく、
多くの場合、中学生になってから部活に入ることで敬語を使い始める。
先輩の言うことを聞いて練習し、道具を整理し、試合の準備・後片付けをする。
先輩の上手・下手に関わらず、会話するときはしっかりと敬語を使う。
最近、「アメリカでは先輩後輩の上下関係は厳しくなく、フランクに付き合っている」
みたいな論調で、日本でも敬語を使わないコミュニケーションが広まってきているように感じる。
前回のWBCで、大谷翔平が年下の日本プロ野球選手に対し、
「アメリカではみんな上下関係なく平等に付き合っているし、敬語は使わなくていいよ」
というようなことを話していたそうだが、いくら大谷翔平でもこれに関して俺は賛同できない。
大谷翔平よ、そういった文化を日本に逆輸入すな
少々脱線するかもだが、ここで「相手に対する敬意」について俺の考えを述べたい。
基本的に生物ってのは、自分の生存確率を上げるために優越感を得たがるようにできている。
猿は群れのボスザルになりたがるし、学校現場ではクラス内カーストが構築される。
逆に言うと、マウントを取ってくる相手に対しては自分が劣勢と感じるため嫌悪感を抱く。
俺は時々、地域の町内会イベントやボランティア活動などに参加していてるのだが、
そういう場で疎まれるのは、多くの場合「高圧的な人」である。
この前の総裁選では高市さんが選ばれたが、候補者の中には茂木さんもいた。
茂木さんは東大出身で職歴もマッキンゼーと申し分ない。
どう考えてもおもっくそ優秀な人なのだが、得票数が集まらない。なぜか。
理由は、優秀だからなのか人を見下すところがあると言う。優秀だが人望がない。
高圧的であったり、人を見下すような態度は周囲の人を遠ざける。
それは古代中国の歴史からも分かっている。
武芸に秀でた項羽と人望を集めた劉邦。天下を治めたのは劉邦であった。
じゃぁどうやって人望を集めればよいのか。
それが分かっていれば苦労はしないのだが、一つ言えることは
「相手に敬意を示す」ことあり、その第一歩が敬語だと俺は思っている。
親の負担
芝のバスケ部に親の当番制はない。
俺は中学高校と野球部だったが、高校の時などは親の水当番があった。
練習試合でもタンクに水を入れて子ども達の水分補給をサポートした。多分母校の野球部は今でもやっているだろう。
だが、芝のバスケ部はそういった親の当番制は一切なし。
合宿での差し入れも「持ってこないでほしい」と断っている。
と言うのも、中学高校の6学年の合宿となると100人以上の大所帯となるため、
些細な差し入れでも子ども達に配る作業が大掛かりになってくると言う。
各学年、保護者同士でサポートしたいことをできる範囲で行う。
今年度の中一世代は、保護者の中で応援用のうちわを作ろうと言うことになった。

私立中学一年生大会
夏の保護者向け説明会で聞いた通り、一年生が公式戦に出ることはなかった。
だがこの12月、
都内の私立中学13校が集まって一年生だけの親睦大会を行う。
いやぁ、ありがたい。
他の学校も名立たる有名私立中学で、先生方もお忙しい中、一年生のために試合を組んでくれたのだ。
会場は立教池袋中学。
めちゃめちゃ綺麗な体育館で、2階のギャラリースペースも十分ある。

芝はBグループで予選リーグは3試合行う。

一試合目:明大明治
二試合目:学習院
三試合目:慶応
俺は当日色々あって、二試合目だけを観戦。
長男は・・・、一応試合には出ていた。
序盤は芝が優勢に進めていたが、途中からターンオーバーを繰り返したことで流れを持っていかれ、
とうとう終盤に追いつかれてしまった。
だが、残り30秒程度で何とか2点入れ、そのままタイムアップとなり15-13で勝利。
あっぶねぇ・・・
しかし、中学一年生の割には、思った以上に形になっている。
最近はYoutubeでNBAの試合やボールハンドリングの練習動画などが見られるからか、
個人技のレベルが結構高い。
各学校、1~2名はエース的な動きをする子がいてチームを引っ張っている。
うむ、なかなか面白い
それにしても中学生の試合を見たのはいつぶりだろう・・・。なんか新鮮なものを感じた。
二試合目の学習院戦だけみて俺は体育館を後にしたが、三試合目の慶応戦には勝ち、
その後の順位決定戦で結局芝は5位で一年生大会を終えた(全13校)。
初めて一年生だけで行われた大会で半分より上の5位ならばまぁ良い方じゃないかなーと思っていたが。
その一週間後の12月28日に行われた「ブラザーカップ」でちょっと気になることがあった。
ブラザーカップ
ブラザーカップとは、毎年この時期に行われているのかどうか分からないが、
芝と駒東、明大明治の3校で行われる大会だ。
この大会は二年生が主体となるので長男の出番は期待できないわけだが、
試合会場が芝の体育館ということもあり、俺と妻と6歳の娘の3人で観に行った。
結果を先に言うと、芝は2戦2敗で最下位。優勝は駒東。
我々は明大明治vs駒東と、芝vs駒東の2試合を観戦。
この大会、明大明治15番と駒東14番の2人の活躍は目を見張るものがあったのだが、
両者ともこの前の一年生大会に出場していた。
そう、2人とも一年生・・・
両チームともこの一年生が獅子奮迅の活躍をして、全員二年生の芝を圧倒していた。
いや、これがスポーツ強豪校なら諦めがつく。
しかしそうではなく、両校とも芝より偏差値が高く、必死で中学受験をしないと入れない学校なのだ。
この両校は芝と比べてそもそも部員数が少なく、即戦力となる一年生は出場機会が与えられるってのもあるのだろう。
それは分かるのだが、同じ一年生がここまで活躍しているのを見せつけられると、
どうしようもなく気持ちがざわざわしてくる。
な、なんかうちの子、もっと頑張らなくちゃならんのでは・・・
特に妻が神妙な面持ちになった。
スポーツ畑出身ではない妻であるが、間近でバスケの試合をみることで何か感じるものがあったようだ。
「あの子、ほんと、バスケ頑張ってほしいな」
応援に行った我々3人は先に帰り、後から帰った長男に話しかけようとした所、開口一番、
ねぇ、ゲームやっていい?

冬休みはバスケの修行すっぞ!!

